シャープ、戴社長のリストラに高まる緊張 "信賞必罰"の人事に幹部も社員も戦々恐々
もっとも、ようやく組織が動き出した新生シャープだが、リストラの次の具体的な再建計画については、いまだ判然としない。
債務超過は鴻海の出資3888億円で解消されたが、本業は今第1四半期も営業赤字。黒字化には赤字の元凶である液晶事業の収益化が急務だ。その液晶は中国メーカーの台頭、スマホ市場の成長鈍化、有機ELの浸透で、競争がますます激しい。鴻海傘下の液晶メーカーやSDPとの共同調達、営業の連携でシナジー創出を図るとはいえ、その効果は未知数といえよう。
戴は台湾の電機メーカー、大同で日本駐在を経験し、日本語を習得。鴻海に入社後、任天堂やソニーとの案件をまとめ上げて郭に見いだされた、立志伝中の人物である。実はシャープの社長も当初、ハイアール傘下アクアの前社長や鴻海グループ企業社長らが検討されたものの、戴が急きょ引き受けたという。
腹心の戴を日本に送り出した郭の、再生に賭ける意気込みは本気だろう。新たなボス=戴に忠誠を誓う新生シャープは、今度こそ生まれ変われるのか。=敬称略=
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