ハーバード大生が毎年「東北」で学習する理由

復興の地でしか得られない学びとは

──具体的にジャパンIXPとはどんなプログラムなんですか?

9月に30〜40名の参加学生が決定し、その後月1回の講義、お世話になる東北企業とやり取りし事前調査をして、1月に来日。東京と東北に1週間ずつ滞在し、2月末に学校・企業に最終リポート提出と、6カ月間のプログラムです。東北では全員での行動とチーム行動の2本柱。東日本大震災直後の“復旧”から“復興”へ状況が変化するにつれ、ボランティア活動の中身が変わり、チーム活動も復旧に尽力した大企業や組織のケース作成から、地元企業に対するコンサルティングへと変化しました。

山崎 繭加(やまざき まゆか)/1978年生まれ。東京大学経済学部卒業後、2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。その後東大助手を経て、米ジョージタウン大学国際関係大学院卒業。06年からHBS日本リサーチセンター勤務、16年8月末退社。現在東大大学院医学系研究科特任助教。華道と企業をつなぐ企画も模索中(撮影:尾形文繁)

──日本側担当者としてどんな作業をされるのですか?

まず今現在の状況を知るために東北に通い、IXPのことを説明して、双方のためになる活動や訪問先がないか知恵を借りる。そのうえでボストン側に具体的な提案をし交渉をします。その後再度東北へあいさつに行き、訪問先と参加学生が事前に理解を深め合う懸け橋役をやりつつ、移動や宿泊、通訳などもろもろの調整や資料作りをする。東北での活動中は現場で議論が停滞したとき空気作りに一役買ったりも。

──福島では二人一組でヤクルトレディに同行もしたんですね。

1軒ずつ回って商品を渡すというヤクルトレディの営業スタイルは特殊で、地域の絆を強めたり高齢者の見守り機能も果たしてる。そういう社会的価値の提供を学ぶのが目的でした。ヤクルトレディが高齢者の状態をさりげなくチェックしたり、返事がないとそのまま家に入っていっちゃったり。行った先々で自分たちまでお茶やお菓子をごちそうになったりで、感動したり驚いてましたね。みんな体が大きいものだから、ヤクルトさんの軽自動車にパンッパンになって入ってました(笑)。

6年連続開催の理由とは

──ジャパンIXPは2017年も実施が決まっていて、6年連続開催は日本だけ。その理由は何でしょう。

とにかく日本のスタッフや東北の友人たちがかけるエネルギー量とか思いの量がたぶん他地域の何倍もある。一つひとつのプログラムの練り込みやかかわる人数の多さで、感動の量も増すのでしょう。参加した学生の評価は毎年全員が5点満点の5点です。振り切れちゃって10点をつけてくる学生もいるくらい(笑)。

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