仕事がデキる人は走りながら脳を鍛えている 長時間のデスクワークが脳を退化させる理由

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今回は、ひとりじゃんけんとランニングの合わせ技を紹介しましたが、ウォーキングや階段の昇り降りをする際にも応用できます。ぜひ、普段の動きにひとりじゃんけんを加えてみてください。

3分でひらめきを生む方法

『走れば脳は強くなる』(クロスメディア・パブリッシング)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

長時間のデスクワークは、集中力だけでなく発想力をも低下させます。そのまま煮詰まってしまうくらいなら、思い切って席を立ち、走りましょう。時間はたったの3~5分、方法も「その場駆け足」や「階段ダッシュ」といったごく簡単なものです。

先ほど、脳細胞を増やし記憶力や脳機能全体を高める基準として運動強度60~80%で20~30分を週3日の頻度で3カ月続けるのが目安だとお伝えしましたが、一時的に発想力を高めたいのであれば、運動強度90%の走りを3~5分行うだけでも十分効果が期待できます。

その場で思い切り走る、ビルの1階から最上階まで全力で駆け上がるというような、心拍数を一気に上げる走り方をすると、一息ついていると前頭葉に新鮮な酸素を含んだ血液が大量に送り込まれることで、ひらめきが生まれたり思考がクリアになったりするのです。走る前と後では、後の方が注意力・思考・意欲などの能力が13%上昇するという報告もあるくらいです。

目安としては、息が上がるくらいの走り方を心がけてください。思い切り走ったら、ゆっくりと歩きながら呼吸を整え、椅子に座って軽く目を閉じましょう。それまでの苦労を吹き飛ばす、すばらしいアイデアが出てくるかもしれません。

時間があれば、外に出て軽く散歩をしてみるのもおすすめです。スタンフォード大学の研究者によって、人は座っているときよりも動いているときの方が、平均で約60%もクリエイティビティを発揮すると証明されていますが、その効果を知ってか知らずか、世界の偉人たちの中には散歩の効果をうまく取り入れている人たちが数多くいます。

例えば、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏、ツイッターの創業者ジャック・ドーシー氏の3人は、散歩ミーティングの推奨者として知られていますし、古くは哲学者アリストテレス、ドイツの哲学者カント、哲学者ルソーといった偉人たちもよく歩きながら考えていたといわれています。

会社の会議や打ち合わせなども、ときには外を軽く走ったり散歩したりしながら行うのもいいかもしれません。短時間で結果を出すという意味では、会議室の中で一斉にその場駆け足を行い、一息ついてから案を出すというようなやり方も効果的かもしれません。皆で体を動かすことでざっくばらんに話せる雰囲気になりますし、発想力の面でも脳力アップしているので、新規性のある意見やアイデアが期待できます。

重森 健太 関西福祉科学大学教授/理学療法士

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しげもり けんた / Kenta Shigemori

関西福祉科学大学教授、博士(リハビリテーション科学)。1977年生まれ。理学療法士。聖隷クリストファー大学大学院博士課程修了。
ヒトの運動機能を多方面から分析する研究、および脳科学の視点から認知症者の評価及びアプローチに関する研究に取り組む。
聖隷クリストファー大学助教などを経て、2011年4月から現職。2014年関西福祉大学学長補佐、2015年同大学地域連携センター長を兼任。また、日本早期認知症学会代議員、NPO法人ハタラク支援協会理事長、NPO法人播磨認知症サポート顧問、重森脳トレーニング研究所所長などの役職でも活動している。

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