「転職サイトに登録」は転職活動とはいえない 「理想の仕事が降ってくる」は幻想だ

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そうでなく、自分がやりたい仕事を自分で定義して、もっと積極的にその仕事に向けて準備をしないといけません。未経験でも目的がある人は、週末に専門学校に通って勉強をしたり、その業界の人に話を聞きに行ったり、転職エージェントと具体的な準備に入ったりと、「転職ポーズ」ではなく、アクティブに「転職活動」をしているものです。自分の中で目的が整理されているからこそ、積極的な行動につながっているのです。

私は前職時代、戦略コンサル会社で採用も長い間担当してきましたが、未経験でも目的意識を持っている人は、具体的にMBAを取得したり、簿記の勉強をしたり戦略論の授業を受けたりと、できる範囲でいろいろとアクティブに準備をしていたものです。

反対に、なんとなく戦略コンサルはカッコよいから、というような軸のない自分不在組は、「やりたい」と口では言っても具体的準備は皆無という人ばかりでした。その違いはやはり、自分の中で具体的な動機を整理していたか否かでしかありません。

営業職の打診ばかりなのは当たり前

現在のゆるるんさんに営業のオファーばかり来るのは、ある意味当たり前です。なぜならば、営業の経験しかありませんし、おそらくそれ以外の仕事に従事する具体的準備をしてこなかったからです。

営業という経験を生かせる仕事はほかに何があるのか、その経験をほかの職種に展開するにはどうしたらよいか、そのためにはどんな考えで日々の仕事に従事し、仕事以外ではどんな準備をすればよいのか、そういったことを具体的に、「自分事」として考えるべきです。

そのようにして自分の中での動機を深く掘り下げていけば、おのずと転職をするべきか否かも見えてくるでしょう。

ゆるるんさんが、周りの価値観や行動に左右されず、自分自身にとっての理想に向けて第一歩を踏み出されることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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