勉強しない大学生が、量産されるメカニズム

悪いのは大学生ではなく「構造」だ

見事な「負のスパイラル」の出来上がり

それでも実質的なメリットがあれば我慢して聞こうという気になりますが、マジメに勉強しても、企業が就活の際に評価してくれない、つまり海外のように実質的な「得」がないのは、すでにご説明したとおりです。

ここまでの説明をまとめると、以下のようになります。

1.企業としては、大学の成績はあてにならないので、採用の参考にしません。

2.学生としては、マジメに勉強しても「得」がありませんから、簡単に単位が取れる授業を選びます。

3.先生としては、教育に真剣に取り組むと、自分の講義を選択する学生が減ります。それよりは、簡単に単位を与えるようにして、自分の研究に力を入れるほうがメリットがあるし、楽です。

4.学生としては、簡単に単位をくれる授業も多いし、卒業だけなら簡単にできます。やっぱり、マジメに勉強しても「得」がありません。

5.(=1.)企業としては、大学の成績はあてにならないので、採用の参考にしません。

いかがでしょうか? 見事な「負のスパイラル」が完成しています。当事者全員が自分の利益を最大化した結果、「勉強しない大学生」が生み出されているのがわかると思います。

日本では20年以上前から、この負のスパイラルが「勉強しない大学生」を量産し、日本の国力を落としているのです。

ではどうすれば、日本の大学生が勉強するようになるのでしょうか? 問題の根幹は、大学生・企業・大学の先生が自分の利益を最大化した結果生まれた、この負のスパイラルにあるのですから、このどれかひとつだけを改革しようとしてもなかなかうまくいきません。また、「大学生ならもっと勉強しないと」「大学の先生はしっかり仕事をしろ」といった精神論でも、問題は解決しません。

当事者全員が自分の利益を最大化した結果として「勉強する大学生」を生み出すように、全体の流れを正しく整えてあげる必要があります。

連載第3回では、この負のスパイラルを踏まえたうえで日本の大学教育を立て直す、「現実的」な方法について解説していこうと思います。

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