近づく金融政策決定会合、再度の円安になるか ディーラー歴20年の達人が読む為替

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しかし、為替のユーロドルはさておき、欧州や米国の株価はすでに反発しており、キプロス問題はすでに織り込み済みという状況になっている。昨年はギリシャ問題で5月はリスクオフとなったが、今年はギリシャの経済財規模の10分の1のキプロスが材料になっている。だがそのインパクトは10分の1以下で終わりそうだ。問題が解決されたわけではないのだが、やはり各国中央銀行の量的緩和による資金供給で、資産市場が支えられていることが悪い材料を打ち消しているのだろう。

当面は調整局面だが、ドルの下値は固そう

キプロス問題では預金を召し上げられたロシアがこのままおとなしくしているかという問題もある。また今回の銀行救済スキームが、スペインやイタリアの銀行に影響を与えないかという懸念も残っている。だが、繰り返すようだがこれらのリスクは金融緩和で抑え込まれている状況だ。

とはいえ、ユーロの問題は根が深い。経済の低空飛行も今年後半までは続きそうな状況だ。IMF(国際通貨基金)が1月23日に発表した世界経済見通しによると、ユーロ圏の成長率は2013年がマイナス0.2%、2014年が1%。ドイツは2013年0.6%、2014年1.4%だが、イタリアは2013年マイナス1%、2014年0.5%、スペインは2013年マイナス1.5%、2014年0.8%と厳しい状況が予想されている。

これらを総合して為替を考えると、まず主要2通貨のユーロドルの関係では、ユーロの高値である1ドル=1.37ユーロまで回復する見込みは少なく、当面は1ドル1.25~1.32ユーロと、やや下落するレンジで推移するものと思われる。

一方、ドル円は2~3日の日銀政策決定会合で追加緩和が予想され、その後も緩和姿勢を継続することを考えると、現在の水準からドルが大きく下落することは考えづらい。とはいえ、ここまでの上昇が急ピッチだったこと、欧州問題などでクロス円の上値が重いことを考えると、いったんは調整局面とみており、93~96円のレンジで、ドルの下値を固めるとみている。つれて、ユーロ円もいったん1ユーロ127~128円台で頭打ちになり、116~117円付近を底に、117円~127円のレンジ内の動きとなりそうだ。

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