「好き嫌いで人事評価」はアリかナシか? インテリジェンス創業者、鎌田和彦氏の好き嫌い(上)

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楠木:なるほど。でも、慶応大学ですよね。ちゃんと高学歴。

鎌田:だけど、ちゃんと文学部ですから。意外と、ちゃんと亜流なの(笑)。先生を前に言うのも何だけど、社会学者になりたくて文学部を選びました。僕みたいな人間はたぶん、一般的なサラリーマンとして受け入れてもらえないだろうと思ったとき、何もわかってないから「先生や学者って勝手なことができるのかな」みたいに考えました(笑)。

楠木:僕が就職を考えなかった理由もほとんど同じですね。僕の場合、起業はまったく考えませんでしたけど。会社に入って、自分が全然評価できない人が上司だったら、そういう人に評価されるというのはどうなのかなと。学生の頃はいろいろな職業があることがわからないので、とりあえず思いついたのが学者でした。ほかにはお店屋さんとか。大学で研究したり教えたりというのは自由そうだし、何よりも楽なんじゃないかと思い込んで。なってみたら、本当に楽でした(笑)。僕はワーク・ライフ・バランスが悪いですよ。ライフが充実しすぎ(笑)。

鎌田:あ、そうなんだ(笑)。

楠木:鎌田さんにお話を戻しますと、リクルートコスモスではガンガン営業をなさって、成績もバンバン上げていたのですか。

鎌田:バンバンっていうのがすごく活動的な営業マンみたいなイメージだとするなら、僕はちょっと違う。営業成績だけ見たら真ん中より下かもしれない。調子がいいし、それっぽい言動をするから評価は上だったと思うけれど。自分を客観的に見て、業績の上がらないやつだなと思いましたね。

楠木:そうですか? 意外だな。でも、インテリジェンスはブワーッと行きましたでしょ。

鎌田:僕はどちらかというとアイデアを出す人間でした。「こういう商品を出したらいけると思う」という、商品開発的な方向性です。営業もやって経験も積んだし、実績も出したけれども、枠組みを考える側のほうでした。

楠木:インテリジェンスの経営者として、こういうのは嫌いだということはありましたか。お仕事のうちで、ご自分に向いていない、楽しくないというものは。

鎌田:一部ですが、「好きじゃないな、この事業。だって、クリエーティビティないじゃん」というものもありました。

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