楠木:どのあたりが評価されないと感じたのですか?
鎌田:自分勝手とは思わないけれど、人に命令されるのがあまり好きじゃないとか、自覚があるわけです。普通に会社員のルートを行けば、気に入らないことをさせられる羽目になると思っていました。
楠木:学生時代を振り返っていただいて、こういうのがイヤだなあ、社会人として、こういうふうにはなりたくないなというイメージはありましたか。
鎌田:当時はバブルでしたから、学生企業に出入りする総合商社も都市銀行も勢いがあったし、エリートサラリーマンが集まっていたわけです。仕事もバリバリやっているし、夜はディスコでブイブイ言わせている的な。そういう人たち、たとえば、広告代理店の人も気に入りませんでしたね(笑)。
楠木:当時、六本木のザ・ハンバーガー・インの交差点を左に曲がったあたりにBMWで乗りつけていたような人たち(笑)。何が気に入らないのですか?
鎌田:いや、実際にそういう人たちと出会ったわけではないのです。ただ、エリートサラリーマンは女性にモテるじゃないですか。簡単に言うと、女性にモテる若い勢力がムカついた。いや、若くなくても、カネを持っているおやじには女性が集まってくるからムカつくと(笑)。
楠木:メインストリーム感がとにかく嫌いだということですか。
鎌田:イヤですね。ピカピカなエリートみたいな人たちと一緒に仕事をして、評価されるイメージが湧かなかった。
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