「2代目社長」に批判が集まりがちな根本要因 タレントも経営者も陥る「甘え」とその脱却法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もっとも、私自身はそのプラスとマイナスの面をあれこれ言っても始まらないと思っている。大体人間は集団の中で「世襲」を大昔からずっと繰り返している。要は、それらの過去の事例を勉強し、自社とその後継者となる者の性格に合った手法を取り入れればよいのである。

成否を分ける「甘え」と「厳しさ」の差

成功の秘訣は「甘え」をなくすことである。つまり、身内に対して、他人以上の「厳しさ」をお互いに持つことが必要だ。これができないならば、子どもを経営者にしようと思ってはいけない。子ども側も「親の会社だ」と思ってはいけない。厳しすぎるようだが、これくらいの気持ちがなければ、小さな会社はやっていけない。

「スポーツ業界」でも事情は同じである。スター選手の子どもでも活躍できなかったり、逆に親に負けない立派な選手になったりすることもある。後継者についてこのようなよいお手本が、まったくの他業界にもあるのだ。まして小さな会社の跡継ぎの成功事例はいくらでもある。これを勉強すればよいのだ。

ただ残念なことに、私も含めて、人のことはよくわかるが、自分のことになると途端にわからなくなるところがある。人間の性(さが)かもしれないが、少なくとも子どもに跡を継がせたいならば、そんなことを言ってはいられない。気をつけるべきは、次の3点だ。

【1】 仕事、業務上の場合の会話は、子を子とみなさず他人として話をする。特に2人以外の他人がいるときは、気をつける
【2】 子どもだからといって、最初から役付きにする必要はない。実力がつくまでは平社員とし、社内はもちろんのこと銀行や仕入先にまで「○○さん」とさん付けで呼んでもらうよう徹底する。社内で徹底しても、銀行の人が「子どもさん」などと呼ぶようでは社員のためにも本人のためにもよくない
【3】親子2人のときだけは、親子の会話をしてもかまわない。家庭にいるときは、親は親の立場で、子は子の立場でコミュニケーションをとる
次ページ家庭と会社は別物
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事