「優秀なあの人」が独立しても儲からない理由

会社員時代の栄光や価値観など通用しない

世の中は甘くありません (写真:bee / PIXTA)

会社員なら誰でも一度は頭をよぎる一国一城の主「独立・起業」。実際に街の大型書店には「独立・起業・開業」などのコーナーがあり、たくさんの本が並んでいます。しかし起業して成功する人ばかりでなく、むしろ会社員時代より稼げる人は少数派で、そのほとんどは失敗に終わり、ギリギリで食いつないだり、再就職したりするなど、起業前より給与や生活レベルがダウンする現実があります。

『起業して食える人・食えない人』の著者である私は、コンサルタント・セミナー講師として、1万人以上の起業家及び起業家予備軍と接してきましたが、成功者だけでなく、うまくいかなかった人もたくさん見てきました。

「サラリーマン」を引きずるとダメ

会社を辞めても食べていける人と失敗する人には、どのような差があるのでしょうか? もちろん、業界・業種、時流、戦略、商材・サービス、個人の能力などさまざまな要因があるでしょう。しかし、起業がうまくいかない最大の理由は、サラリーマン時代の思考と行動原理を引きずったまま独立してしまうからだと私は考えます。独立して稼げるかどうかに、会社員時代の栄光は通用しません。いくつかの例をご紹介しましょう。

●食えない人は「会社で成果を出さないと独立できないと思っている」
●食える人は「会社の成果と独立は別物だと思っている」

「会社員として成果を出さないと起業はできない」と思い込んでいる人は少なくありません。私のセミナーにも、「会社で結果を出して自信がついてから起業したい」と言う参加者がいます。しかし、サラリーマンで成果を出していれば起業の世界で成功できるとはかぎりません。

個人向けのコンサルタントとして独立したある起業家は、独立時に自信満々の雰囲気を漂わせていました。中堅企業に勤めていた彼は、30代で部下20人を抱える部長職までのぼりつめ、経営者からも期待されていたそうです。そんな彼が辞表を出すと経営陣は必死で引きとめましたが、40歳を目前に彼は起業へと踏み切ります。

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