「優秀なあの人」が独立しても儲からない理由 会社員時代の栄光や価値観など通用しない

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反対に、20年、30年と同じ会社で勤め上げて、それなりに実績を出してきたタイプは、起業してもうまくいかない傾向があります。長年の会社員生活のなかでサラリーマン思考が凝り固まってしまうので、臨機応変に対応できないことが多いのです。起業で成功するために必要なのは、変化に対応する能力です。会社員生活が長い人がこれから起業しようという場合、これまでの実績はいったんすべて捨てるくらいの覚悟で臨んだほうがうまくいくはずです。

●食えない人は「借金は悪と考える」
●食える人は「借金は信用だと考える」

「借金は信用」である

「借金は悪である」そういう価値観をもっている会社員は少なくありません。実際、借金を返せなければ自己破産することになります。だから、「すべての借金は悪い」という発想になるのでしょう。

しかし、そういう人にかぎって、家のローンで3000万円も4000万円もの借金ができるのですから不思議です。家は簡単に売れませんし、引っ越しもしにくい。天災によって借金だけ残って家に住めなくなる可能性だってなくはない。「すべての借金は悪である」というなら、家のローンだって組めないはずです。

一方、起業で成功する人は「借金は悪」とは考えません。むしろ「借金は信用」だとプラスに考えます。起業家にとって事業拡大のために借入できるのは、社会的信用を得られたあかしとなります。銀行や投資家から「この事業はうまくいきそうだ」と思ってもらえるからこそ、おカネを出してもらえるのです。見込みのないビジネスであれば、おカネを借りることはできません。

知人の起業家のなかには、おカネがあるときにあえて銀行から借りる人もいます。銀行はおカネを融資して利子をとる商売ですから、優良な会社にはどんどんおカネを貸したいと思っています。だから、銀行からおカネを借りて、着々と返済していく。そうすれば、銀行に恩を売ることができて信用(融資)枠も拡大するので、今度はより大きな金額の資金を調達することも可能になります。

「うちの会社は無借金経営だから」と胸を張っている社長をたまに見かけます。そういう会社は銀行からの融資の誘いも断ってしまうので、いざおカネが必要になって融資をお願いしたいとき、銀行は救いの手を差し伸べてくれません。

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