金融機関は保険が上位を独占
続いて金融機関。金融機関は財務データを除いた形でランキングを作成した。1位は第一生命保険(276.0点)。人材活用は全体3位の96.2点、企業統治+社会性92.1点、環境87.7点といずれも高得点。女性が多い職場で育休、短時間勤務などのワーク・ライフ・バランス関連の制度は整う。女性管理職・部長などの比率も高い。さらに、環境担当役員の存在や環境会計作成など、環境活動の充実が金融機関としては際立っている。
以下、2位損害保険ジャパン(272.3点)、3位東京海上ホールディングス(266.1点)が続く。人材活用は93.7点と同点。環境で損害保険ジャパンが大きく上回った。内容的には大きな違いはないが、数値情報の開示レベルで差がついた。上位は保険業が多く、銀行は8位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(254.0点)が最高。証券トップは14位の野村ホールディングス(234.8点)だった。
最後は未上場企業。金融機関を除いた未上場41社が対象。ランキング作成は金融機関と同じ財務データを除いた形で上位20社をご紹介する。1位は富士ゼロックス(267.3点)。2位日立システムズ(255.0点)、3位サントリーホールディングス(253.2点)と続く。
未上場とはいえ大手企業が多い中、ITサービス・人材派遣などを展開するアイエスエフネットが18位(165.1点)にランクインした。同社は障害者雇用に積極的として知られ、人材活用は74.7点と高得点。従業員として採用するだけでなく、被災した障害者福祉施設の経営支援なども行っている。
さて、こうした業種のランキングをすると、「○○社は入っていないのか?」というお問い合わせがよくある。このランキングは東洋経済CSR調査に回答いただいた企業のデータを基に作られている(調査の結果はすべて『CSR企業総覧』に掲載)。当然ながら未回答の企業は入らない。時価総額の高い未回答の企業としては、ファナック、ファーストリテイリング、東海旅客鉄道、キーエンス、住友不動産、SMC、セコム。ほかに小田急電鉄や近畿日本鉄道、阪急阪神HDなどの鉄道や横浜銀行、静岡銀行など地銀での未回答も目立った。『CSR企業総覧』未掲載企業一覧も作成したので参考にしていただきたい。
(撮影:尾形文繁)
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