今回はCSRの成長企業を見つけるためのランキングをご紹介する。CSR企業ランキングは幅広く活動を行う大手メーカーが上位となりやすい。部門別、業種別のランキングも同様だ。そのため、CSR活動を積極的に行っているにもかかわらず、目立たない中堅企業は少なくない。
しかし、こうした企業の多くが実は成長過程にあり、株式投資や就職先などとして魅力的である可能性は高い。
そこで、CSR企業ランキングだけではわかりにくいCSR成長企業を評価することを目的に、昨年から作成を始めたのが「CSR高成長ランキング」だ。
作り方は以下のとおり。2010年から13年までの4年間のCSR企業ランキングの得点データを用意。総合得点、CSR得点、財務得点の上昇率の3年平均値を算出し、総合得点上昇率でランキングした。今回は上位50社を紹介する。
協和エクシオ、トップの理由
ランキング1位は2年連続で協和エクシオ。上昇率は8.85 %だった。電気通信工事大手の同社は、総合ランキングが10年386位、11年374位、12年153位、今年120位と急上昇中。CSR得点の平均上昇率は19.33%で、財務得点1.49%と合わせて高い成長となった。
協和エクシオは昨年もトップだったが、今年とは重みが違う。実力ある企業は開示データを増やすことで、ある程度順位は上がる。11年374位から12年153位の上昇はこのパターンに近い。しかし、今年は昨年からさらにアップ。これは開示内容を増やしただけでなく質も高まったことを示している。
目立つのが人材活用の数値項目のアップ。昨年1.43%だった障害者雇用率は1.64%まで上昇。有給休暇取得率は47.0%から55.5%に。08年の37.5%からは20%近く増加している。
さらに09年4月新卒入社者が12年4月に何人在籍しているかを見る、3年後新卒定着率は男性97.6%、女性100%という高さ。こうした客観的な数値データの上昇により、人材活用の得点は60.6点から78.5点とアップした。
協和エクシオの「環境」は74.0点(昨年73.5点)とまずまずの得点。「企業統治+社会性」は86.4点(昨年84.9点)と高い。すでに120位とCSR先進企業の仲間入りを果たし、今後、どのように伸ばしていくかが高成長維持のカギとなる。先日ご紹介した業種別ランキングでは9位(水産・農林業/鉱業/建設業)。すぐ上の大手ゼネコン各社との差はわずかだ。
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