ソフトバンク、「パズドラ」のガンホー連結化 米スプリント買収を前に、コンテンツ強化に一手

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ソフトバンクは3月25日、持分法適用会社であるガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下ガンホー)を連結子会社化すると発表した。ガンホーはソーシャルゲーム業界でも、株式市場でも大注目の成長株。2012年2月に提供を開始した『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』が大ヒットし、爆発的なスピードで業績を伸ばしている。ソフトバンクとしては、スマホへのシフトが進む中、グループとしてこれまで以上にコンテンツ強化を進めたい思惑があるようだ。

現在、ガンホーの筆頭株主はソフトバンクBB(保有比率33.63%)、第2位がハーティス(同18.50%)、第3位はアジアングルーヴ合同会社(同14.47%)となっている。このうち、第2位株主のハーティスは孫泰蔵代表取締役会長の資産管理会社だ。

ハーティスは保有するガンホー株式について、4月1日より、泰蔵氏の実兄であるソフトバンク孫正義社長(=左上写真=)の意図によって議決権を行使することで合意している。ソフトバンクBBの持分とハーティスから孫正義社長に移行する議決権の比率を合わせると、ソフトバンクの実質的な議決権割合は52.13%に上る。このため、ガンホーはソフトバンクに連結される。

1700億円の有価証券評価益を計上へ

ガンホー連結による業績への影響については、ソフトバンクが国際会計基準(IFRS)を適用する来14年3月期の第1四半期に約1700億円の有価証券評価益を計上する見込みだ。来期は米スプリントネクステルの買収完了を予定しており、一時的な費用計上も見込まれる。だが、当面は絶好調が続くとみられるガンホーが上乗せとなることで、スプリントのマイナス影響も一定程度カバーできるだろう。

また、ソフトバンク傘下のソフトバンクモバイルも、孫泰蔵氏が代表社員を務めるアジアングルーヴから株式公開買付け(TOB)によってガンホー株式6.37%を取得することで合意した。買付け期間は4月1日から26日。買付け価格は1株当たり34万0276円(ガンホーは4月1日より株式10分割を予定)で、総額は約250億円。上限は6.37%に設定しているため、実質的にアジアングルーヴのみからの買付けとなる。公開買付けが成立すれば、最終的なソフトバンクの持分は58.50%となる予定だ。

(撮影:尾形 文繁、今井 康一)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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