「朝食メニューと成績」の意外に密接な関係 IQが高い子は「菓子パンよりご飯」

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精白米や食パンなどの過度に精製された「白い食品」は、菓子パンほどではないにせよGIは高めです。一方、玄米や五穀米、全粒粉のパンやライ麦パンなどの「茶色い食品」のGIは、白い食品に比べて約半分~3分の2ほどに下がります。

忙しい毎日、それほどがんばらなくても大丈夫

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このように考えると、本当は白いご飯より玄米などのほうがいいのですが、それでも砂糖をふんだんにつかった菓子パンよりはいい、ということが言えます。同じパンでも、菓子パンよりは食パンのほうがいい、ということになります。子どもは白い食品が好きですし、それほど大きな差ではないので、無理に玄米に変える必要はありません。

実際に私たちの研究では、朝食でごはんを食べている子どもたちは、菓子パンを食べている子どもたちに比べて、IQが高いという結果が出ています。

もし、少し気をつけられるのであれば、きちんとおかずを用意してあげることで、GIを下げることができます。ごはんや食パンであれば、お味噌汁やスープ、卵や肉・魚などのタンパク質がセットになります。そうすることで、自然と栄養バランスが整い、GIも下がります。

あるお母さんは、「今までは食パンだけということも多かったのですが、最低でもチーズをのせるようにしました」とおっしゃっていました。忙しい朝の時間ですが、このようなちょっとした努力が、後々大きな違いとなって表れてくるはずです。

まずは難しく考えずに、「朝食抜きを避ける」「菓子パンだけの朝食にしない」という2つを守ることからスタートしてみましょう。すでにこれをクリアしているのであれば、「おかずを必ずつける」「週末は玄米を炊いてみる」など、次の段階へ。

ブドウ糖を2倍も使う子どもの脳の成長はすさまじく、親の生活習慣を整えるといった頑張りが生きるのはこの時期でもあります。子どもの脳の成長をよい方向に変えられるのは、ほんの一時のことなのです。

子どもの脳のコンディションを守れるのは、親しかいません。朝食のメニューを変えることで、子どもの成績が上げられるかもしれない。最新の脳科学はそんなことを私たちに教えてくれているのです。

(構成:黒坂真由子/イラスト:伊藤ハムスター)

瀧 靖之 東北大学加齢医学研究所教授、医師、医学博士

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たき やすゆき / Yasuyuki Taki

東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIはこれまでに16万人に上る。著書『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、それを子育てに応用した『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』は、それぞれ10万部を突破するベストセラーとなっている。

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