「寝る直前10分の勉強」が効果絶大なワケ

できる子は「海馬の基本」を押さえている

この、睡眠とストレス、海馬の成長に関しては、大人も基本的に同じです。しっかり眠ることは、学習や仕事の効率を上げるばかりでなく、脳の健康維持にも役立ちます。認知症の予防にもつながります。

親子ともに、しっかり寝ることは生涯にわたって生き生きとした脳を保つうえで、とても大切なのです。

ただし、今日まで睡眠不足の生活を続けてきたからといって、取り返しがつかないわけではまったくありません。睡眠不足を改善すれば、海馬(脳)はまた成長を取り戻します。

B君のように深夜まで勉強を頑張っている子どもに「もう勉強をやめて寝なさい」と言うのは難しいかもしれませんが、特に子どもは自分の睡眠不足に気づけません。生涯にわたって脳の健康を保てるように、きちんと睡眠をとらせましょう。

ちなみに、思い切り外で遊んで、お昼寝でぐっすり。そして夜はいつまでも起きている……。そんなお子さんも多いと聞きます。しかし脳の成長にとって大切なのは、あくまでも夜の睡眠です。その意味では、夜眠れなくなるほどのお昼寝は避けたほうが無難です。

昼寝のときには部屋を明るくしておく、眠っているからといって静かにしない、一定の時間で起こすなどしてあげましょう。お昼寝は「浅い眠りで、ちょっと疲れが取れるくらい」を目安としたいものです。

医学部学生がこぞって行っていた「睡眠『前』学習」

ところで、B君の勉強法には、実は脳科学的に見て理にかなった部分もあります。それは、「寝る前に勉強をする」ということです。

寝る直前に勉強――特に暗記もの(漢字の書き取り、英単語の暗記、日本史の年号、古典の単語など)に取り組むのは、脳のしくみに非常に合致しています。このときの重要なポイントは、勉強を終えたら、「すぐに」寝ること。なるべく何もせず、「本当にすぐ」寝てください。

私たちの脳は、眠っている間にその日1日の記憶を整理し、必要なものを定着させます。つまり、勉強をした内容がきちんと脳に保存されるのは、寝ている間なのです。

ですから、勉強と睡眠の間になるべく何もしないことが、勉強した内容を効率よく定着させる秘訣です。

では、暗記をした後に他のことをすると? 脳の中で記憶がごちゃ混ぜになり、肝心の勉強内容が抜けてしまいます。これは「記憶の撹乱」と呼ばれています。せっかく漢字を覚えたのに、その後にテレビを見ると、漢字とテレビの内容が脳の中で混ざってしまい、脳にうまく保存されることができなくなってしまうのです。

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