――主題歌にAKB48の楽曲が使用された経緯は、どのようなものだったのでしょうか?
J-POPにも造詣が深い音楽スーパーバイザーのトム・マクドゥーガルに「本作の世界観を表すような曲はないだろうか」と相談したところ、AKB48はどうだろうかと提案されたんだ。実際に聞いてみたら、ポップなサウンドが『シュガー・ラッシュ』にぴったりだと思った。AKB48が主題歌を引き受けてくれて本当によかったよ。
ゲームキャラの使用権には苦労した
――「パックマン」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」など、日本人にもなじみ深いゲームキャラクターが多数登場していました。リサーチも大変だったのでは?
ビデオゲームの世界をリアルに描くためには、これまで発表されてきたビデオゲームの構造や特徴、そして開発者がどのようにしてそのゲームを作り出したのか、徹底的にリサーチを行う必要があったし、実際かなりの時間をかけた。誰もがよく知っているだけに、元の世界観を正しく再現できていないと、ろくに調べもせず適当にやったんじゃないかと思われてしまうからね。
――劇中に登場する実在のゲームの使用権はどのようにしてクリアしていったのでしょうか?
ムーア監督が、実際にあるゲームやゲームキャラを映画に登場させたいと言ったのはいいが、プロデューサーとしては、その使用権をどうクリアしていくか、正直心配だった。とはいえ、まずはストーリーの完成を待って、それらのゲームキャラクターたちがどのような形で登場するのかがわかるまで待つしかなかった。
それが見えてきたのが2年ほど前。そこでロスで開かれたゲーム見本市に足を運んで、そこで任天堂やコナミ、カプコンといったゲーム会社の社長たちと会って、彼らが所有するキャラクターをどうやって映画に登場させるか、という点を中心にプレゼンした。彼らの反応はどのようなものになるか心配だったが、皆さんが乗り気だったんで、正直、ホッとした。
何はともあれ、「キャラクターだけは忠実に」というのがゲームメーカー側からの要望でした。その約束だけは確実に守るように心がけた。そんなこともあり、脚本からデザイン、キャラクターの動きのチェック、照明、アニメーションの最終版まで、彼らには製作の全工程にしっかり関わってもらった。すべての段階でチェックと承認をしてもらうことで、彼らに安心感を与えると同時に、彼らの監修が入ることで、人気キャラを知り尽くしたゲームファンに、忠実に再現していることをアピールしたかったんだ。
たとえば「ストリートファイター」のキャラクターたちがどのような歩き方をするのかといった、ゲームの中だけではわからないようなことも、ゲームを実際に作った人たちの情報やアドバイスを受けることで、とても満足の行くリアルな仕上がりになった。
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