高級フレンチ「ひらまつ」、ホテル参入の理由 1泊13万円!開業第一号はあの伊勢志摩から
現在は、国内主要都市に32軒、仏パリに1軒を展開する。特にパリは、日本人オーナーシェフが経営するフランス料理のレストランとして、初めてミシュランの一つ星を取得した有名店だ。
日本の株式市場では、ハンバーガーや牛丼などファストフードレストランが上場しているケースはあっても、オーナーシェフの経営するレストランが上場しているケースはほとんどない。
10年間で300億円の規模を目指す
陣内社長は「創業者の平松博利が料理人という職人集団を組織し、しっかりと企業化させてことが大きい」と語る。これまでレストランで培った技術や品質、サービス力を武器に周辺事業に進出。カフェやケータリング、ワイン販売や結婚式などを展開している。今回のホテル事業参入も同じような流れといえそうだ。
「平松の長年の夢だった」(陣内社長)というホテル事業にはモデルがある。フランスの宿付きレストラン「オーベルジュ」だ。フランスのアルザス地方には、40年間以上にわたってミシュラン三つ星を維持する、「オーベルジュ・ド・リル」という著名な施設がある。食事をしてワインを飲んでも、そのまま泊まることができる。ひらまつはこのオーベルジュと提携、2008年に「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」(西麻布)を開設している。ただ、西麻布の店舗は、レストランに過ぎない。今回はひらまつホテル&リゾート賢島に宿泊施設付きのホテルを建設するに至った。
「オーベルジュというフランス語の意味は、レストランに付帯した宿泊施設。もっと宿泊も楽しんでほしい」(陣内社長)という理由で、ブランド名は「ひらまつホテル&リゾート」で統一している。イメージはフランス料理が食べられ、日本旅館のおもてなしを合わせた”西洋風旅館”だ。まずはこの規模のホテルを15~20軒作り、ブランドを確立。その先にリゾートホテルやシティホテルを作り、10年間で300億円の売上高を叩き出す、野心的な目標を掲げている。陣内社長は「10年後にはホテル300億円、レストラン200億円という規模を目指す」という。
ただし、本業のレストランは、伸び悩んでいる。2012年頃から売上高は110億円前後にとどまる。営業利益率は約20%と高い水準をあげているが、ホテルの開業費や人件費負担が響き、営業利益率は少しずつ悪化傾向にある。
はたして、掲げているように、10年間で一気にゼロから300億円まで規模を拡大できるのか。ホテルに参入した異色のひらまつ、その挑戦は始まったばかりだ。
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