イランから亡命した女性が見た移民の「真実」 米国へ亡命して30年間で何が変わったのか

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私の子が通う学校の4年生のクラスは、移民について勉強している。数カ月前に生きた教材として話をするよう請われ、多くの10歳の子どもたちの前に立った。

ある子が私に、そのような大きな適合ができた理由を尋ねた。「私が最も貧しいとき、いかなる欠点や強みとも関係なく、家族が互いを受け入れるように、米国が私を無条件で受け入れてくれたからです」と、私は答えた。

自身の義務感と市民意識に驚き

子どもたちが夢中なので、私は米国の人種の坩堝について、なぜ米国には他の国よりもうまく溶けるのかについて、生き生きと語った。こういった瞬間に私は、自身が強い義務感と市民意識を抱いていることに驚かされる。米国生まれの人々への貴重な贈り物について、彼らに思い起こさせるためにここにいるのだ、と実感する。

革命の非常に多くが失敗し、成功例は少ない。1776年の米国独立ほど成功した革命はなお少ない。その遺産である相対的な快適さと安全の中で生まれたこうした世代は、最初の契約を忘れがちだ。そこで、かつては役立たずで何も持たなかったのに現在では自信に満ちた、私たちのような帰化人に出番が回ってくるわけだ。

著者のロヤ・ハカキアン氏は、ノンフィクション部門でグッゲンハイム財団から奨励金を受けた。著書に「ターコイズ宮の暗殺者たち(Asassins of the Turquoise Palace)」などがある。このコラムは同氏の個人的見解に基づいている。

 

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