「超やる気人間」たちが持つ"3つの共通項" ずば抜けた成果を出す人には秘密があった!

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最後は「外向き」です。モチベーションが高い人の意識が市場や顧客、社会といった「外」を向いているのにはワケがあります。

それは、社内では人も情報も限られているので刺激は少ないし、いくら頑張っても給与や役職などの報酬にも限界、すなわち天井があるためです。

一方、社外の世界は人も情報も多様で、獲得できる報酬も多様かつ無限大なので、モチベーションも際限なく高めることができます。

にもかかわらず、社内での調整や人間関係、出世争いに意欲と精力を浪費するのは大きなムダ、損失と言えるでしょう。

仕事の性質上、どうしても社外に目が向かない人もいるかもしれません。毎日決まった時間に出勤して、来る日も来る日も同じ仕事の繰り返しで、仕事が単調で退屈な状態が何年も続いたら、誰だって、やる気は薄れてしまうと思います。

そのような日常の仕事でモチベーションを生むには、「刺激」が必要です。その刺激は環境から生まれます。環境は自分から変えられないと思われるかもしれませんが、そうとは限りません。

客観的(物理的)な環境は変えられなくても、主観的な環境は変えられるのです。例えば、同じ仕事でもやり方を少し変えてみると、思わぬ情報やきっかけ、新たな「気づき」を発見できます。一種の「セレンディピティ(偶然の発見)」です。意識して外部の研修や講習に顔を出すとか、お客さんと会っておくのもよいでしょう。

また、人間関係を固定化させない努力も必要です。やる気をなくしてしまう原因のひとつが、閉鎖的で濃密すぎる人間関係です。いわゆる「仲良しグループ」は、モチベーションを低い水準に固定化するケースが多いのです。したがって、昼食をとるときや休憩時間、それに終業後の付き合いもできるだけ違うメンバーと過ごすように、最初から「全方位外交」を心がけておいたほうがよいと思います。

ドラッカーも推奨する「パラレル・キャリア」

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もっとも、職種や仕事内容によっては、それさえ困難だという人もいるでしょう。そのような場合には、仕事以外に目を向けてみましょう。例えば、NPOやボランティア、趣味などです。

本業以外に生きがいを持てたら生活に張りや変化が出てきますし、本業のモチベーションも高めることがあります。ドラッカーは本業以外に別のキャリアを持つことを「パラレル・キャリア」と呼んでおり、わが国でもそのような生き方がだんだんと珍しくなくなってきています。

以上、「超やる気人間」の共通項を紹介してきましたが、大事なのは、「自律」「承認」「外向き」という3つの「やる気の引き出し」があると覚えておくことです。そして、臨機応変にいずれかの引き出しを開けて「やる気の源」を探せば、自分の意思でモチベーションを高めることができ、たとえ壁にぶつかっても、そこから早く抜け出せるでしょう。

太田 肇 同志社大学教授

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おおた はじめ / Hajime Ohta

1954年兵庫県生まれ。神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。京都大学経済学博士。公務員を経験の後、滋賀大学経済学部教授などを経て2004年より同志社大学教授。専門は組織論、人事管理論、モチベーション論。著書に『承認欲求』『お金より名誉のモチベ-ション論』(東洋経済新報社)、『日本人ビジネスマン「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)、『承認とモチベーション』(同文舘出版)、『公務員革命』(ちくま新書)、『組織を強くする人材活用戦略 』(日経文庫)、『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)など多数。

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