「超やる気人間」たちが持つ"3つの共通項" ずば抜けた成果を出す人には秘密があった!
キャリアについても、将来の見通しが立つほど、モチベーションが高くなります。例えば、3年間隔でどこへ異動になるかわからなければ、能力開発も3年先までしか視野に入りません。一方、自分の意思でキャリアを形成できるのであれば、ずっと将来に向けた能力開発が可能になります。キャリアの見通しが立てば、専門学校に通って勉強しようとか、将来のキャリアアップのために、いまの仕事をがんばろうという意欲もわくはずです。
昔から各界に人材を輩出する企業として知られているリクルート(現リクルートホールディングス)では、40歳までにスピンアウトしようという風土があり、実際に退職して起業する人や各界で活躍する人がたくさんいます。多くの社員はそのような先輩にあこがれ、夢を追っているので、モチベーションがずば抜けて高いのです。
また、急成長している大手ホテルチェーンのスーパーホテルも、従業員は会社と契約して働く個人事業主で、彼らの多くはいずれ自分の店を持ちたいという夢を持っているそうです(黒岩健一郎・牧口松二編著『なぜ、あの会社は顧客満足が高いのか』より)。
「承認欲求」を満たすには主役になること
「自律」により物事を成し遂げ、それを認められたら確固たる自信が生まれ、それがまた新たなモチベーションにつながります。「超やる気人間」と呼ばれる人は、この他人から認められる「承認」欲求を満たすことによって、モチベーションの好循環を形成しています。
私がこれまでに行なった研究でも、承認には自己効力感(自分の能力に対する自信)や内発的モチベーション(ワクワクする、楽しいなどといった仕事そのものによる動機づけ)、挑戦意欲を高める効果があり、業績の向上にもつながることが実証されています。
そもそも「承認」とは何か。鏡にたとえるとわかりやすいと思います。鏡がなければ自分の姿が見えないのと同じように、他人から認められたり、ほめられたりしなければ自分の長所がわからないし、成果をあげても、それにどれだけの値打ちがあるかわかりません。「横顔がきれい」「後ろ姿が魅力的」といったように、自分自身の気づいていない長所を知ることが承認のポイントです。
では、承認欲求で動機づけるには何が必要で、どうすればよいのでしょうか?
承認欲求を自分の力で満たせるのは、自分が主役になったとき、自分が注目されていると感じたときです。したがって、他人に認められる場や機会を積極的に見出していく必要があります。
具体的には、他の社員の前で発表するような研究会やプロジェクトへの参加、社内の表彰といった「ハレの舞台」が考えられますが、所属する組織によってはそのようなチャンスに恵まれないケースもあるでしょう。では、どうするか。
私がお勧めするのは、自分の得意分野を生かして、職場の「達人」になることです。例えば、パソコン関係でトラブルが起きたときに解決する「ITの達人」、外国人と直接交渉するときに出番がやってくる「英語の達人」、やっかいなクレームをうまく処理できる「クレーム処理の達人」などです。このような達人になるためには、ふだんから意識的に自分の長所や可能性に注目しておくことが大切です。
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