ネスレ「デジタルマーケティング戦略室」の狙い セールスフォースと共同で自社内に設置

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ほかの例では、エージェンシーのディープ・フォーカスおよび食メディア「テイストメイド」とのコラボで2015年12月に実施した、ネスレ・ウォーターズ商品「サンペレグリノ」の「ヘリテイジ」というブランドキャンペーンにも、セールスフォースが協力している。このキャンペーンでは、ネスレがメディアのターゲティングを向上させるため、セールスフォースの技術を使ってキャンペーンに関心のある人々を追跡した。センターは今後、ハロウィンをテーマにして、自社ブランド「ピュア・ライフ」のキャンペーンなど、あらゆるデジタルキャンペーンの管理において中心的な役割を果たすことになる。

「我々はコンシューマーエンゲージメントセンターを実際に実験室だと思っている」と話すのは、セールスフォースでソーシャルプロダクトのマーケティング担当でバイスプレジデントのロブ・ベッグ氏だ。「消費者がどれくらいコンテンツに引き付けられるか、デジタルマーケティングの新しいアイデアを試す実験室なのだ」。

デジタルマーケティングの新しいアイデアを試す実験室だ

センターの部屋に備え付けられたさまざまなモニターは、各種ソースからのデータを絶え間なく選び出し、表示している。マーケティングキャンペーンに関するインサイトのダッシュボード、フェイスブックとTwitterのリアルタイムフィード、さらには電子メール、SMSの開封率やユーザーとのやりとりなどだ。

たとえば、ある画面は、ブランド名を含むメンションで特に人気の高いものをリアルタイムに映し出しており、別の画面は現在ブランドに影響を与えている時事イベント(プラスとマイナスの両方)のトップ20を示すダッシュボードを表示している。ほかにも、マイクロソフト「Surface Hub」が備え付けてあり、チームの遠隔会議に使われたり、ブレインストーミングのためのホワイトボードになったりするという。

センター設立、何よりのメリット

このセンターは何より、ブランドとさまざまな社内チーム、そして社外パートナーが協力するハブとして機能する。北米ネスレ・ウォーターズの戦略ビジネス開発部門、グループマーケティングマネージャーのコートニー・スタックス氏によると、このセンターは、ネスレ・ウォーターズが小売業者、エージェンシー、機能横断型チームが一丸となって戦略を練ることができるように作られたのだという。

コンシューマーエンゲージメントセンターは、マーケティングの改善や顧客サポートの向上のため、アクションにつながるインサイトをブランドにもたらすと同時に、ブランドのスピードと機動力向上にも寄与する。ネスレは、360iやディープ・フォーカスなど、現在提携しているエージェンシーと引き続き密接に協力していくが、デジタルセンターがあることで、ソーシャル分析と消費者エンゲージメント戦略の内製化が可能となった。

「すべてがひとつに集まることで、すべてがやりやすくなる。それぞれのタッチポイントは互いに完全に独立しているわけではないからだ。パフォーマンスをリアルタイムに追跡して最適化することが、いっそう簡単になるはずだ」と、シュート氏は語る。

Tanya Dua (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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