社労士試験でも民法が問われることに注意 あなたにも出来る!社労士合格体験記(第67回)

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大型のドーベルマンというところが具体的で面白い問題ですが、これは正当防衛の要件を問うています。民法720条「他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない」を40字程度にまとめればよいことになります。ドーベルマンに感謝です。

社労士試験でも民法が問われる

社労士の問題でも民法の知識が問われることがあります。労働基準法と民法の関係は特別法と一般法の関係になります。特別法と一般法が抵触すれば特別法が優先されますが、特別法に定められていないことは一般法の規定に従います。民法の大原則に「契約自由の原則」がありますが、労働契約では労使の力関係が大きく違うことから、労働基準法では労働者を保護するため、民法の原則を修正しているわけです。

従来の日本の労働契約は期間の定めのないもの=正社員が一般的でした。民法627条では、期間の定めのない雇用の解約の申し入れについて、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と規定しています。この条文では当事者となっていますが、使用者側は特別法の労働基準法や労働契約法で解雇が制限されているため、この規定がそのまま適用されるのは労働者側からの退職です。

有期労働契約にも類推適用

08年に施行された労働契約法は、多くの判例法理を明文化しています。最も有名なものは解雇権濫用法理を規定した16条、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」です。これを根拠に、正社員を解雇することは至難の業となっています。

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