気仙沼市立本吉病院、乗り越えた存続危機 大震災から2年、入院患者受け入れ再開へ

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本吉病院が注目されるのは、震災後の困難を乗り越えて新しい地域医療の形を作ろうとしていることにある。その取り組みの代表例が、患者宅に出向いての在宅医療や、仮設住宅の集会所などを用いた地域住民向けの医療支援活動だ。

在宅医療を本格化

震災前の本吉病院では在宅医療を受けている患者は10人に満たず、自宅での療養に大きな問題を抱えた人に限られていた。ところが現在、在宅医療の患者は約65人に達している。「高齢で寝たきりの患者さんや、がん末期の患者さんなど、通院が困難で住み慣れた家での生活を望まれている方や家族の要望に対応している」と、院内業務の調整に従事する田村岳男氏(48)は説明する。

「ずっと入院したままではなく、できるだけ早く在宅復帰をめざしましょうと家族の方に声をかけている」と佐々木看護師長。「家族の事情を一緒に考えることのできる病院をめざしたい」と佐々木師長は言葉を続ける。

震災前には1日に65人程度だった外来の患者も現在、約110人にも達している。仮設住宅での生活で体調を崩す高齢者が少なくないためだ。

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