気仙沼市立本吉病院、乗り越えた存続危機 大震災から2年、入院患者受け入れ再開へ

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震災直後から常勤医不在の病院を守り続けてきた佐々木美知子看護師長(46)によれば、「入院患者受け入れの再開は、川島実院長(38)が2011年10月に着任してからの懸案だった」という。だが、その道のりは平坦ではなかった。

京大卒&元プロボクサー、異色の経歴持つ新院長

京都大学医学部を卒業後、プロボクシングのウエルター級で西日本新人王に輝いた異色の経歴を持つ川島院長は「何か役に立てないか」と被災地での勤務を志願。勤務先の病院があった山形県に妻と4人の子どもを残し、単身で気仙沼に赴任した。そして唯一の常勤医師として、持ち前の気力と体力で奮闘を続けてきた。

だが、病院勤務は想像を絶する激務だった。川島院長は体調を崩して一時3カ月の休みを余儀なくされた。その後の昨年4月に、島根県の山間部にある診療所に勤務していた齊藤稔哲副院長(45)が2人目の常勤医師として戦列に加わることでようやく状況が改善。現在は常勤3人体制で、4月以降も研修医や支援に訪れる医師の確保が決まった。

看護師が震災後も踏みとどまったことも大きかった。佐々木看護師長をはじめとする常勤の看護師18人全員が震災後も病院に残り、患者を励まし続けた。

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