フラガール、風評吹き飛ばす

常磐興産、原発停止で石炭も返り咲く

「石炭から石油」へのエネルギー革命が急速に進んだ高度経済成長期。廃鉱の危機に直面した常磐炭鉱(福島県いわき市)は、温泉とフラガールを前面に打ち出した一大テーマパーク「常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)」に転身することで乗り切った。その模様は日本アカデミー賞最優秀賞を受賞した映画『フラガール』(2006年)でも知られる。

それから半世紀近く経った2011年3月11日、再び東日本大震災という最大級の危機が、常磐炭鉱の後身である常磐興産を襲った。4月11日に発生した最大余震がいわき市直下型地震(震度6弱)だったこともあり、スパリゾートハワイアンズが一部再開されたのは同年10月1日になってから。全面再開となるグランドオープンは、さらに4カ月後の12年2月8日までずれ込んだ。

結局、2011年度(11年4月~12年3月)は書き入れ時の夏休みに営業ができなかったことに加え、再開後も福島原発事故の風評被害が影響。スパリゾートハワイアンズの利用者数は、日帰りが37.3万人、宿泊が8.5万人といずれも前年度比で7割強の大幅減少となり、1966年1月の開業以来、最低水準に落ち込んだ。

運営元である常磐興産の業績も、11年度は営業損益が15.4億円の赤字と、やはり開業以来初の営業赤字に転落。最終損益に至っては、震災に伴う災害損失などを計上したことから88.5億円もの赤字幅に膨らんだ。

社長が13年度150万人を宣言

それほどの大打撃に見舞われた常磐興産が、2012年度に入って、急速な立ち直りを見せている。その背景には、スパリゾートハワイアンズのキラーコンテンツともいえる「フラガール」の存在がある。

「2013年度は150万人を目指す」――。1月に行われた常磐グループの新年祝賀会で、斎藤一彦・常磐興産社長が行った“宣言”が、福島県の地元メディアで話題を呼んだ。

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