福島観光低迷でも「フラガール」は大健闘 業績“復興”進む常磐興産
3.11からもうすぐ2年。福島県内の観光需要の低迷が続く中、フラガールで著名なレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」(いわき市)を運営する、常磐興産の業績が想定以上の立ち直りを見せている。
福島県は11月末、2011年の県内観光客入り込み数が、東日本大震災と原子力発電所事故の影響により前年の10年に比べ38.4%減の3521万人に落ち込んだと発表した。中でも風評の影響が大きく出たのが、海沿いの浜通り地方にある、相双(相馬地域と双葉地域)といわき。前年比では相双が78.6%減とダントツだったが、いわきも65.6%減と県内平均より大幅にダウンした。
昨年はいわき市内で最も落ち込んだ
11年はいわき市内の観光施設・イベント別の観光客入り込み数も激変。10年には「いわき・ら・ら・ミュウ(商業施設)」217万人、「スパリゾートハワイアンズ」179万人、「夏まつり」109万人、「アクアマリンふくしま(水族館)」94万人だったのが、11年には「いわき・ら・ら・ミュウ」47万人、「スパリゾートハワイアンズ」35万人、「夏まつり」64万人、「アクアマリンふくしま」28万人へとそれぞれ減少。いわき市内の観光客入り込み数上位10施設・イベントのうち、スパリゾートハワイアンズの落ち込みが最も大きく、前年比では80.4%減に終わった。
ただ、常磐興産のスパリゾートハワイアンズの場合、11年は大震災が発生した3月11日から臨時休業に入り、4月11日発生の大きな余震の影響などもあって、ようやく一部営業再開に至ったのが10月1日になってから。1年を通して最大の稼ぎ時である夏休み期間や、5月のゴールデンウィークを全面休業にせざるをえなかった影響が大きく出たのは当然といえる。
これに対して、常磐興産の今13年3月期がスタートした今年4月時点では、2月にグランドオープンしたホテル新棟(震災前から計画・新設)の「モノリスタワー」も含め、温浴施設、宿泊施設ともほぼフル稼働が可能な態勢を整えた(震災復旧工事中だったホテル南館のみ閉鎖中だった)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら