夏場の筋トレが「痛風」の引き金になるワケ

発症リスク高い「高尿酸血症」を放置しないで

ぽっこりお腹を解消しようとジムで筋トレにいそしむ。心掛けはよいのですが夏場は要注意。痛風につながるリスクがあります(写真:Graphs/PIXTA)

暑気払いなどの外食が続くと、お腹がポッコリ出てしまうということはありがちだ。「夏太りだからやせなければ!」と思い、運動などに取り組む人はいるだろう。しかし、そこには落とし穴があった。

30代の会社員Aさんは、以前からポッチャリしたお腹が気になっていたが、夏休みに家族や友人などとの外食が重なったこともあり、休み明けには、ズボンのウエストはきつくなっていた。ボタンを無理に締めるとベルトにお腹が乗った状態に。ショックを受けたAさんは会社帰りにジムへ直行した。

水分補給は熱中症にならない程度にいつもより量を控えて取った。筋トレで汗を流すと、なんだか少しお腹がへこんだ気がした。「この調子なら、すぐにウエストは元にもどりそうだ」と考えながらその夜はグッスリと就寝。すると、明け方に足の激しい痛みで目が覚めた。これまで味わったことのない激痛にもがきながら、右足を見ると親指のつけ根が赤くはれ上がっている。「捻挫した覚えはないのに……」と思いつつ、とにかく痛い。家族に付き添われながら近所のクリニックを受診すると、痛風と診断された。今の時期、Aさんのようなケースは珍しいことではないそうだ。

夏場は要注意、偏った食事もリスク要因

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痛風治療の第一人者、帝京大学医学部附属新宿クリニックの藤森新院長が説明する。「痛風は、代謝によって生じる尿酸が血中濃度の上昇で飽和状態になると、結晶化して関節にたまったときに炎症を起こします。日頃から血中の尿酸濃度の高い『高尿酸血症』の人が、急にハードな運動などをすると、発汗や運動による体内の影響で、血中の尿酸濃度が急激に高まって痛風発作につながりやすいのです。汗によって体液が少なくなる夏場は、特に注意が必要と言えます」

尿酸には、プリン体という成分がかかわっている。プリン体は、細胞の新陳代謝やエネルギー代謝などにより体内に産生され、肝臓で分解されて尿酸に変わるが、余分な尿酸は排出される仕組みがある。しかし、食品にもプリン体は含まれているため、偏った食生活などをしていると血中の尿酸値は上がりやすくなるという。特にぽっちゃり体型の人はリスクが高い。そんな人が急にハードな運動をすると、エネルギー代謝で尿酸が生じやすいことに加え、乳酸という物質が出て尿酸の排出を妨げ、尿酸の血中濃度を押し上げてしまう。

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