お産後のわがままが何でも通るわけではない 悪気がない人を責めるのは止めよう

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次に私なら、危険地域に赴任し、数年は会うことのない妹婿の見送りと妹の出産祝いに来いと言って、遠くに住む息子たちを呼び寄せることはしません。息子に遠慮します。親のこの遠慮の積み重ねは、きょうだいの間を仲が悪くないのに水臭い関係にしがちです。

あなたのお母様は思慮深く、お兄様方もこれに応える方々でした。損得で計ることではありませんが、この訪問が実現したとして物心両面で得をするのは、あなたの方です。

めでたさは、分かち合う人が多いほど大きくなる

一日半しか親子水入らずの時間がなかったそうですが、出産直後でしたから、皆さんが訪問されたとしてもあなたの部屋で長居はしません。それも邪魔だと言う了見は、針の穴を通して世界を見るような狭い視野です。

めでたさは、分かち合う人が多いほど大きくなり、祝ってくれる人や可愛がってくれる人が多いほど、ベビーは幸多いと言います。経験上、これは迷信ではありません。

さらには、私ならあなたに家を明け渡すとしても、あなたの心に届かなくともあなたには、一通りの心得違いに対する説教をして、あなたのデリケートな心境を、さらに逆立ててしまいます。あなたのお母様はそれどころか、「水に流して――」と自分を悪くしておいて、あなたに逆らいませんでした。

私なら家を明け渡したとしても、トイレットペーパーやあなたの食事などを冷凍庫に一杯にして出たでしょうが、あなたのお母様はひょっとして、そのペーパーさえもあえて隠して行かれたようにみえます。あなたがそれだけたんかを切ったからには、そのようなストックも、当たり前でないことを知らせる教育的配慮のように感じました。

そして私なら、それでもあなたから電話があれば、すぐに駆けつけられる体制で待ち、あなたが真っ暗なバスルームでパニックにならないよう、そしてさまざまな病院へ、新生児をつれてはしごしなくて済むよう、フォローしたでしょう。

しかしこれはますますあなたを、親を振り回して当然と考える娘にします。やがてその性格が、あなたの夫に必ず向かい、夫婦不和につながるでしょう。お母様はあなたを責めず、長いスパンであなたが気づくのを見守っておられます。お見事です。

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