大成建設、津波対策で独自研究設備を開発 建設業の“負のイメージ”払拭狙う

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波の衝撃をまともに食らう通常のビル(左)と、衝撃を受け流しているT-Bufferのビル模型(中ほど)

建設会社には歴史の古い会社が多い。四天王寺や法隆寺の建設に携わった金剛組(高松コンストラクショングループ傘下)の創立は578年で、世界最古の企業といわれている。東日本の寺社建築の雄、松井建設も1586年、室町時代に創業されているし、スーパーゼネコンの一角を占める竹中工務店は1610年(江戸初期)。清水建設(1804年)、鹿島(1840年)も江戸時代だ。

こういった歴史的建造物を数多く手掛けてきた企業群の中で、1873年(明治6年)の創業、今年140年を迎えた大成建設は、まだまだ若手と言っていい存在だ。

社寺に始まり堤防、護岸などの土木工事や、橋、高層建築等の事業そのものはわかりやすいにもかかわらず、BtoBの業界でもあり、「現場は3K」「多層下請け構造」などイメージだけで語られることが多いのは業界共通の悩みだ。また、相変わらず官製談合のダーティなイメージを完全に払拭できずにいる。「談合をしていたらこんな(低い)利益水準にはならない」と歯がみする向きも多い。

建設業の負のイメージ払拭狙う

大成建設の山内隆司社長もそんな一人。事あるごとに「建設業に対する社会的理解を深めてもらう」ことの重要性を説く。140周年の記念行事を一度きりのパーティで済ませずに、2013年1月から2カ月かけて全国8カ所で過去の構築物や技術の写真、模型の記念展示会を行い、一般にも公開した(3月、札幌支店、東北支店)。併せてホームページにサイトも開設している。

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