人事担当者に求められる能力、仕事とは? 人事担当者アンケートから見えてきたもの
HR総合調査研究所は2012年12月7日~20日にかけて「人事のキャリアに関するアンケート調査」を実施した。その集計結果の中から、人事の業務別に必要な能力・スキル、経営メッセージの浸透度、今後重要になると思われる人事業務について紹介したい。
人事の業務ごとに異なる必要な能力・スキル
今回の調査では、人事の業務別に必要な能力・スキルを聞いた。人事の仕事を「採用」「教育・研修」「人事・労務管理」「人事戦略」「海外人事」の5つに分け、それぞれに対して答えてもらった。
「人事戦略」を除く業務面で、1位と2位になった能力が「コミュニケーション能力」。人事はヒト相手の仕事だから、当たり前のことかもしれない。またどの業務でも「社内人脈」が上位に入っているが、人事の仕事は社内根回しが多いのでこれも当然。
ところが、その他の業務では特徴的な能力が求められている。「プレゼン力」は学生相手の「採用」でも社員相手の「教育・研修」でも重要だが、他の業務ではあまり必要とされない。学生を奪い合う「採用」では採用戦線の動きが重要であり「情報感度」が2位になっている。しかし、長期的な人材育成を行う「教育・研修」では「企画・戦略立案力」が2位だ。
法律による手続きが決まっている「人事・労務管理」で1位の能力は「専門知識の高さ」。他に「コミュニケーション能力」「社内人脈」「事務処理能力」「トラブル処理能力」も必要になる。
「人事戦略」に必要な能力は1位が「企画・戦略立案力」、2位が「経営感覚」。「コミュニケーション能力」は8位であり、他の業務に比べるとかなり低い。「経営感覚」は他の業務では10位に位置しており、人事戦略では特に高い。
「海外人事」では「コミュニケーション能力」が1位だが、他の業務で低い位置づけの「異文化理解力」が2位と高い。また他のすべての業務で最低の「語学力」が5位と高い。業務と能力の相関について推測で語られることはあったが、今回の調査によって推測が裏付けられる結果になった。