傷病手当金には延長がないことに注意 あなたにも出来る!社労士合格体験記(第66回)
ただし、労働安全衛生法の規定によって伝染の恐れがある保菌者に対し事業主が休業を命じた場合、その症状から労務不能と認められないときは、傷病手当金が支給されません。これは、2)の労務不能要件を欠いているからで、事業主が法令を順守して休ませた場合であっても、支給要件に該当しないということになってしまいます。
支給される場合、支給されない場合
傷病手当金の支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する金額、支給期間は支給を始めた日から起算して1年6箇月が限度です。もし、この間に年次有給休暇などで会社から報酬が払われている場合は、前述の3要件に該当していても支給されません。待期完成の部分と混同しないでください。
そのため傷病手当金を申請するか、有給で処理するかの判断を迫られることがあります。通常は3分の2ではなく満額支給の有給を選ぶことが多いかもしれませんが、年度内の有給をすべて消化してしまうと、その後に別の理由で休んだ場合に、無給の欠勤扱いになりかねませんので、注意して選択することが必要になります。
試験の頻出は、傷病手当金には延長がないことです。報酬が支給されたり、一時労務可能となり復帰し、また同じ傷病で労務不能となったりしたため、支給されない期間があったとしても、当初から1年6箇月経過してしまうと支給は終了してしまいます。
一方、国民健康保険では傷病手当金は任意給付となっているため、ほとんどの場合支給されません。自営業者や健康保険が適用されない非正規雇用の場合は、労務不能になっても保障がないことになります。こうしたことからも日本の社会保障制度は、まだ正規雇用中心の制度設計になっていることがわかります。
次回は、社労士試験結果と行政書士受験です。
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