「ブロックチェーン」は社会の基盤になるか 伊藤穣一氏、村井純氏らが指摘
松尾氏はインターネットのNSFネットのブロックチェーン版である、研究ネットワークの「Bセーフネットワーク(BSafe.network)」を立ち上げたことを明らかにした。松尾氏が重視するのは、中立性と安定持続性があるものだ。
多くのステークホルダーが、すでにブロックチェーンのビジネスに関与しており、ひとつの言葉の定義に関してすら同じ説明を聴くことが難しくなっている。この中立性、言い換えれば学術的正当性は、技術を進歩させる観点で求められている視点と言っていいだろう。
「新しいイノベーションを生み出せるか」
日本のインターネットの父、慶応義塾大学環境情報学部長の村井純氏はブロックチェーンが、インターネット社会の未来のプラットフォームとして役立つのか検証する必要があると指摘。
村井氏も関与する経産省の「ブロックチェーン[分散型台帳]、シェアリングエコノミーを活用した新たな産業社会に向けて」など、通貨以外にも活用方法をめぐる試みを紹介。伊藤氏、松尾氏、とともに慶応SFCに「ブロックチェーンラボラトリー」を開設することを明らかにした。
「インターネットはタテのものをヨコにつなぐということで動いてきました。人が壁を越えて分野を越えて国境を越えて新しいイノベーションを生み出せるでしょうか。こういうことにブロックチェーンが応えられるでしょうか。インターネットの上に、ブラックチェーンが信頼のプラットフォームとして働くでしょうか」。
ドットコムバブルを生き抜き、ベンチャー投資家として活躍するマーク・アンドリーセンは「現在、ビットコイン・イーサリアム・ブロックチェーンについて公で語られているコメントは、20年前の『インターネットはスケールしないし、失敗する』という言葉を思い出させる」と語っている。
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