「ブロックチェーン」は社会の基盤になるか 伊藤穣一氏、村井純氏らが指摘
バック氏は「ハッシュキャッシュ(Hashcash)」というビットコインの極めて重要なプロセスである「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」で使われるアルゴリズムを1997年に考案。
暗号通貨の誕生に大きな貢献
ビットコイン誕生の原点であるサトシ・ナカモトの論文でも引用・参照されており、「プルーフ・オブ・ワークの父」として暗号通貨の誕生に大きな貢献をした。ブロックストリームはブロックチェーンとつながりながら副次的にさまざまなアプリケーションのプラットフォームになる「サイドチェーン」というプロジェクトに注力し、ブロックチェーンと各種のエコシステムを載せるプラットフォームの構築を目指している(下図)。
![](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/570/img_77afba09d19f5c4e6b268eee318d60bf49362.jpg)
アダム氏は「バンキングシステムに関連したアプリケーションを開発したいと考えた場合、銀行と交渉しなくてはいけない(かなり難解だ)。ブロックチェーンはオープンAPIをもっているので、すぐに開発できる」と指摘。「信用を暗号技術で担保しているため、信用を築く必要がない。銀行が高い信用を築くには50年かかる。銀行ビジネスに参入するには政府との折衝を含めた高いコストが必要になる」と語った。銀行は信用されるために店舗に大理石をつかったり、制服に身を包み懇切丁寧な対応をする職員を雇用する。
![](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/4/1/570/img_417db63b79dfecc8f13ac2ac8c4b105e54532.jpg)
「しかし、ブロックチェーンは暗号技術によりこの信用を必要としない。暗号化された状態で分散され、最初から最後までのトランザクションが不可逆的につながっているためだ。
一方で、銀行の基幹システムはプライベートで運用されているので、台帳のクロスチェックが必要になる。これが取引を煩雑にしている。ブロックチェーンは中央銀行よりも大きく効率的だ」。このため商業銀行は信用を失うリスクにかなり敏感にならざるを得ない。