人民元「基軸通貨化」を促す決済インフラ戦略 中国の強かな国際化政策の裏側にあるもの
自動車が道路の上を走るように、通貨は「決済インフラ」の上を走る。決済インフラの整備度合いは、その通貨の地位に大きく影響を与える。
人民元の基軸通貨化を進める中国は、どのような「決済インフラ戦略」を持っているのか。話題の書『決済インフラ入門』を上梓した宿輪純一氏が解説する。
決済インフラはまさに“道路”
「決済」は「運輸」と似ている。たとえば、自動車が道路を走っているように、おカネが決済インフラの上を走っていると考えるとわかりやすい。決済インフラの中でも「高速道路」のようなものがある。インターチェンジで方向を変える。いずれにせよ、素早く、効率的に、決済ができるようになる。
中国で、昨年リリースされた人民元の国際決済インフラ「CIPS(Cross-Border Inter-Bank Payments System:クロスボーダー人民元決済システム)」は、中国と海外をつなぐ人民元(決済)の高速道路ということができる。それに、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の2行が認可され、その高速道路で走ることができるようになる。
動きが急な決済インフラであるが、今回は人民元の国際化と決済の問題に焦点をあてる。
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