殺人犯たちはフルマラソンに何を見出すのか 打ちのめされた誇りを賭けて自分と戦う

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そうは言っても、サン・クエンティン・マラソンのランナーたちはやはり囚人だ。陽射しの降りそそぐ広場から、鉄格子の奥の寒々しい監房に脚を引きずって戻ったはいいが、誰もがその後でシャワーを浴びられるわけではない。空前の水不足から、囚人のシャワーは週3回に制限されているのだ。そのため、昨日シャワーを浴びたランナーたちは、汗みずくのウェアから乾いた服に着替えただけで、シャワーは明日までお預けになるのだ──。

アメリカの刑務所による特殊な更生プログラム

アメリカはことによると、他のどの国よりも多くの囚人を抱えているのかもしれないが、釈放する人数でも同じく群を抜いている。州刑務所服役者の95%──毎年70万人ほど──が、結局は帰宅できているからだ。そのため、各地の刑務所が受刑者向けに画期的な更生プログラムを導入し、再犯で戻ってくる者をできるだけ減らそうとしている。5つのプログラムを紹介しよう。

ヨガ・レッスンを受ける

ワシントン州全域にわたる13の刑務所では、30人の受刑者が、「ヨガ・ビハインド・バーズ」(塀の中のヨガ、という意味)のインストラクターの指導のもとに、毎日チャクラを開こうとしている。受刑者のなかにはインストラクターに昇格して指導に当たっている者もいる。

警察犬を育てる

ニューヨーク州のベッドフォード・ヒルズ刑務所と、その他5カ所の刑務所では、「パピーズ・ビハインド・バーズ」プログラムの受刑者たちがラブラドール・レトリーバーの子犬を育て、訓練している。その犬たちはやがて、退役軍人や警察の爆弾処理班にもらわれていくのだ。

ロデオ競技をする

ルイジアナ州の「アンゴラ・プリズン・ロデオ」では、1964年から受刑者たちが馬や牛にまたがるロデオ・ショーが行われている。その入場料収益が、受刑者の更生プログラムに活用されている。

ディベート大会に出場する

ニューヨーク州のイースタン刑務所内でバード・カレッジが実施している受刑者向け大学教育プログラムの参加者たちが、たいした偉業をやってのけた。ディベート大会で、ハーバード大学の学生たちを打ち負かしたのだ。

潜水士になる

仮出所者はたいてい仕事探しに苦労するものだが、カリフォルニア州チノにある「カリフォルニア・インスティテューション・フォー・メン」の水泳プールで実施されている「マリン・テクノロジー・トレーニング・センター」の卒業生たちは、そんな心配とは無縁だ。海底石油掘削装置向けの潜水士として、年収数十万ドルを稼ぐ者すらいるからだ。

(写真: Benjamin Lowy
文: Jesse Katz
翻訳: Ottogiro Machikane)

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