「パズドラ」大ヒットの真相 ガンホー森下社長が語った開発の裏側(上)

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順序が違えば、パズドラはヒットしていなかったかもしれません。タイミングが良かったのは、(ガチャへの依存度が高い)カードバトルと呼ばれるソーシャルゲームで単に絵柄を変えたようなばかりのものが出てきて、ユーザーの中にも嫌悪感が出ていた状況だったということです。運営会社が儲かっているけど、なぜ儲かっているかわからない。そうしたモヤモヤしている中に、ポンと目の覚めるゲームを出せたという面はありました。

いいゲームを出すというノウハウは、家庭用ゲーム機やPCオンラインゲームで培ってきました。例えばタッチパネル型の家庭用ゲーム機向けにソフトを作る場合、コントローラーがあるときと同じ操作性を維持しなければなりません。僕たちのプログラマーは、そうした実直なモノづくりをしてきた実績があります。職人とも言える、優秀なプログラマーがいたからこそ、パズドラが生まれました。

努力がいらないゲームはゲームではない

――パズドラを投入する前に、一度経営幹部がカードバトルのソーシャルゲームを提案し、森下社長が却下した経緯があったとか。

自分が面白いと思わないから、そんなもの作る必要がないと言いました。むしろ、カードバトルゲームで遊んでいたユーザーがドッと驚くようなゲームを作りたかった。

パズドラは最初、2つの案がありました。山本大介(前職はハドソン)というプロデューサーと話し合い、パズルゲームと(陣地を防衛する)タワーディフェンスゲームにする案がありました。結果的に、パズルゲームを選びました。

僕らはこれを「収斂度」と呼んでいますが、運だけでなく、頑張って乗り越えていくという仕組みにしたかった。ゲームって努力することが大事なんですね。よく引き合いに出すのは塾です。大学受験をするとき、独学で行くことも出来ますよね。一方で塾にお金を払っていく人もいます。

ただ、お金を払ったからといって、必ず大学に受かるわけではありません。努力が必要なんです。単純にガチャを回してビックリマンチョコのようにカードを獲得しても、お金を払う努力をしているかもしれませんが、それは努力ではありません。努力がいらないゲームばかりが世の中に増えると、ゲームは世の中に必要ないものになってしまう。

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