老舗企業だらけの日本の未来は、ヤバすぎる 経済活性化には新興企業が不可欠だ
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はたして日本に新興企業が生まれ育つ土壌があるのかは、外国人投資家にとっても関心の高いテーマのようで、私自身も尋ねられることが多い。日本はリスクを避ける文化のため起業家精神が育ちにくく、政策によって環境を変えるのは難しいのかもしれないが、今回はそれでも日本のような成熟経済にとって、高成長の新興企業の必要性がいかに高いかについて書いてみたい。
3つに分かれる企業タイプ
さて、米国の著名ビジネスコンサルタント、デビッド・バーチ氏の話では、数十年前に行われた研究によると、企業は「ネズミ」「ゾウ」そして「ガゼル」の3つのタイプに分類できる。ネズミは街の美容室など家族経営の小規模な店で、大きく成長することはない。一方、ゾウは米ゼネラル・モーターズ(GM)のような老舗大企業で、こうした企業の一部は倒産したり、買収されたりしている。実際、1970年における米国トップ100企業のうち、今でもトップ500社に入っているのはわずか11社だけだ。
一方、ガゼルは急速に成長する比較的新しい企業である。2006年の経済協力開発機構(OECD)の研究ではガゼルは、創業5年未満で創業時の従業員数は10人以下、過去3年間の従業員数の増加率が年率20%の企業であると定義されている。現時点でOECD加盟国経済においてガゼルが占める割合は小さいが、雇用と国内総生産(GDP)、生産性の成長を促すという点では大きな役割を果たしている。
実際のところ、バーチ氏はガゼルが実質新規求人の3分の2を生み出していると見ている。米国の例をみると、わずか4%の企業が新規求人の70%を創出しているという。たとえば、2007年から2015年において、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)の従業員数は14万人から12万5000人に減少したが、同時期にアマゾンでは従業員数が1万7000人から13万1000人に急増している。
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