学習塾、少子化でも最高益ラッシュのなぜ 静かに進む優勝劣敗

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直営による個別指導のためコストもかかるが、客単価は明光の2倍以上の年間80万円以上と高額。売上高営業利益率は約15%と好採算だ。最近は老舗の幼児教育「伸芽会」の運営ノウハウをもとに、朝から夜まで長時間預かる英才託児もスタートした。年間200万円弱という破格の料金ながら、名門幼稚園や小学校に入学させたい医者や弁護士、外資系金融に勤める親からの引き合いは強いという。

かつて学習塾といえば、学校と同じ集団クラス指導が主流だった。だが、01年頃から学力に応じたきめ細かい対応が求められ、教師1人につき生徒1~3人程度を教える個別指導のニーズが急速に増加。市場全体が減少する中、個別指導は右肩上がりで、矢野経済研究所によると、学習塾の全体市場が9200億円程度となる中で、個別指導はシェア4割以上の4000億円にまで拡大している。

「脱ゆとり」も追い風

さらに09年度から新学習指導要領が順次実施されたことも追い風だ。小学校では11年度から、中学校では12年度から全面実施されている。小・中学校では授業数や学習内容が増加。いわゆる「脱ゆとり」だ。これに伴い、学校の授業やテストについていくための補習ニーズが一段と増加。補習塾を主力とする明光は今期95教室の大量新設を予定するなど意欲的だ。

一方、私立「難関校」の受験者数は、不景気の影響で毎年減少傾向にあるのも事実。代わって成績上位層に人気が出ているのが公立トップ校や中高一貫校など「地元志向」だ。こうした成績上位層をうまく取り込んでいるのが学究社とステップである。

学究社は1985年に学習塾業界で初めて株式上場した先駆者。13年3月期の業績見通しは売上高が前期比23%増の80億円、営業益が2.4倍の12億円と大幅増益で過去最高を予定している。

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