そこで外資系金融機関勤務である程度のお金を手にしたあなたは、数多いミリオンダラーマン、下手したら香港のビクトリアピークの頂上にお城を構えているビリオンダラーマンの外国人ビジネスマンと香港タイクーン(香港の超お金持ちの実業家)を相手に、熾烈な“親の面接競争”を勝ち抜かなければならない。
もはや滑稽ともいえる“親に課されるエッセイの数々”(そこで評定されるのは、結局の話、どれだけ寄付してくれそうか)の提出に加えて、香港上流社会コミニュティならではの人間関係や、彼らからの推薦が大いにモノを言う。
上流階級が集う“エクスクルーシブ”なコミュニティ
ここで本日の“ちなみに”だが、香港は貴族階級好きのイギリスの植民地であった影響もあり、ジョッキークラブやチャイナクラブなど、香港の上流階級が集う施設には長年の会員の推薦状が無ければ入れないという極めて“エクスクルーシブ(排他的)”なコミュニティが存在する。チャイナクラブはバンク・オブ・チャイナビルディングのそばにあり、会員かその招待客しか入れないのだが、日頃上がれない階段をさらに上がった所に特別の個室がある。
その個室はレストランというより家庭の居間のようになっており、本棚やソファ、水回り施設など、金持ちのホームパーティに招かれているようなリラックス感がある。
香港は総じて安くても高くても食事はおいしいのだが(注:日本食のラーメン以外のハナシ。今度1コラム全部を捧げて詳細を書かせていただきたいが、 シンガポールのラーメンは日本並みにおいしいものの、香港の日本ラーメンの味は犯罪級のまずさを誇る)、さすがにチャイナクラブのディナーは3回のうち2回は別格である。
さて、チャイナクラブではリブアイステーキもガチョウのバーベキューも、出てくるマンゴープリンも他の高級レストランとは別格だ。ちなみに「ムーギーさん、いい生活しとるな」という“親愛な読者の皆様からのお叱りの誤解”を解くために申し上げると、私はこの会員権など持っていない。単に何回かタイクーンの友達に連れて行ってもらっただけなので、率直にその旨白状しておく。
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