HR総研が6月末に、2017年卒業予定の学生を対象に実施した就職活動動向調査の中で、「就職スケジュールはどうあるべきだと思うか」を聞いたところ、意外な結果が得られたので紹介したい。今年の指針のスケジュールである「3月採用広報解禁、6月採用選考解禁」(21%)や、倫理憲章時代の「12月採用広報解禁、4月採用選考解禁」(15%)を推す声も多かったが、それよりも多かったのが「12月採用広報解禁、3月採用選考解禁」だ。24%と、実に4人に1人が選択している。これは従来にはないスケジュールだ。
学生は「12月広報、3月選考」
もともと企業側が「4月採用選考解禁」としたのは、2003年に発表された最初の「倫理憲章」からである。当時、3年生の2~3月での選考活動が横行したために、「卒業学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」「大学4年生になる4月1日以前の選考は行わない」と明記されたところから始まる。しかし、近年の就職活動が実質的には、3年生の夏に開催されるサマーインターンシップへの応募・参加から始まっていることを考えれば、選考開始時期を遅らせることは「長期化」を招くだけである。
また、2016年卒採用のスケジュールを「8月採用選考解禁」にした際の政府の言い分は「学生の学業への専念期間を確保する」ことである。それを考えれば、春休み期間中に選考までを終えてしまい、4月からは授業、ゼミ、研究など本来の学業に専念できれば、政府の思惑とも合致する。留学生の帰国時期とはずれるため、別枠での採用を企業に呼びかけることは必要ではあるが、教育実習期間とは明らかにずれるため、今年問題となった1つの課題はクリアになる。
経団連の考えるスケジュールよりも、学生からの声の方がよさそうな気もしてきた。2019年卒採用に向けてのスケジュール見直し論議が本格する中、この学生の声もぜひ参考にしていただきたいものである。
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