それでもやっぱり議員数は削減すべきか? 「国会議員222人削減」の是非
意外と答えられない国会議員の数
皆さんは、国会議員が何人いるか、答えられるだろうか?
筆者は、学生や現役のビジネスパーソンたちを対象に政治塾を開いているが、意外に人数を答えられない人は多い。「議員を減らせ!」と批判する割には、何人いるかも知らない。
これはもちろん、有権者側の不勉強もあるのだろうが、「多すぎる」と思わせてしまう制度の不備や議員側の落ち度にも責任がある。そこに切り込む前に、まず現状を確認しよう。国会議員は衆(480人)・参(242人)合わせて722人。この数字はぜひ覚えておいてほしい。
みんな口をそろえて「議員数削減」を約束するけれど……
「722人」という数字に驚いた人も多いだろう。なにせ、筆者が通ってた高校の全校生徒より多い人数だ。前職のマッキンゼーアンドカンパニーの日本法人で働いている全職員を足してもこの数の半分にも及ばない。ちなみに、国会議員は税金で秘書を3人雇うことができる。政策秘書、第1・第2公設秘書と呼ぶが、それらすべて合わせると、3000人弱の人が永田町で働いていることになる。
そんな立派な「大企業」の永田町株式会社をリストラしようと、どの政党も口をそろえて「議員数削減」を叫ぶが、なかなか実現しない。2009年の民主党のマニフェストには、議員定数を80人削減する、と明記してあったにもかかわらず、削減できたのは5人だけ。しかも、今回の選挙には区割りが間に合わず、来年以降の適用となった。参議院議員については4増4減、全体の数は減らさない方向性が打ち出された。
一方、政権を奪還した自民党の考え方はもっと大胆だ。2010年12月、衛藤征士郎衆議院議員が会長を務める超党派議連が、「衆参対等統合一院制国会創設案」を提出した。その中で、衆議院と参議院を統合したうえで、「国会議員の定数は、現行722人を3割(222人)削減し、500人以内として、別に法律で定める」と明記されている。顧問には安倍晋三総理の名もあり、民主党やみんなの党の重鎮も名を連ねている。
さらに、今回議席を躍進させた日本維新の会の橋下徹代表代行は、衆議院議員定数を半分にすると言って物議を醸した。民主党政権時代以上に削減論は加熱していく可能性がある。
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