知日派トップが語る「安倍訪米」の注目点

ラスト・デミング・元国務省日本担当部長に聞く

2月21日から、安倍晋三首相がアメリカを訪問する。民主党政権下で揺らいだ日米関係の立て直しは、安倍政権の最重要課題のひとつだ。今回の訪米では何がテーマとなるのか。オバマ政権、安倍政権は互いに何を求めているのか――38年間、国務省で日本を中心に担当した代表的な知日派であり、第1次オバマ政権で日本担当部長を務めた、ラスト・デミング氏に聞いた。

 

※ 関連インタビューはこちら:

ダニエル・スナイダー(上):アメリカは「安倍外交」を歓迎するのか?

ダニエル・スナイダー(下):アメリカは「対等な日米関係」に興味なし

シーラ・スミス:オバマ政権は安倍首相に何を求めるのか?

具体的成果は期待していない

――オバマ大統領と安倍晋三首相の会談では、北朝鮮、中国の問題など取り上げるべき数多くのテーマがあります。この会談から、何か具体的な成果が生まれるでしょうか。

具体的成果はあまり期待していない。今回の日米首脳会談は、両国政府のアジェンダ設定が目的となる。まずは、オバマ大統領と安倍首相が互いをよく理解することだ。安倍首相は、日米同盟は優先事項リストの中でも特に最優先事項であり、日本の外交政策の中心に位置づけていると明言している。大統領と首相は、今後、数年間に取り組むべき課題のリストをまとめることになるだろう。

――安倍首相は今回の会談で何を達成したいのでしょうか。

野田佳彦前首相は、多くの成果を米国政府に示せる政治的立場にはなかった。またオバマ政権のほうも、野田氏に多くの成果を期待しなかった。

安倍首相は、オバマ大統領と個人的な信頼関係を築きたいと願っているし、自分が政権に返り咲いた以上、日米同盟はよい方向に向かっている、というメッセージを送りたがっている。安倍氏は、自分と自民党が政権に復帰した今となっては、過去3年間のぎくしゃくした関係はもはや過去の話となった、ということを示したいはずだ。

ただ実際には、民主党が政権に就いて1年目は、当時の鳩山由紀夫首相の下で日米同盟は困難な時期を迎えたものの、続いて首相に就任した菅直人氏や野田氏は日米同盟を日本の外交政策の中心に戻そうと努め、事態は大きく改善した。

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