――なぜ、オフィスとかホテルや研修施設ではなく、モンゴルまで行くのでしょうか?
これをオフィスなどでやっても楽しくないし、新しい気づきも出てきませんが、それをモンゴルの大草原の中でやると、本当にまじめに考えるんですよ。そして、3日間くらいいると、何か見つかるのです。それを大草原の岩山で24人の参加者に対して、2分間という制限時間の中、自分で語るのです。この2分間をしゃべるために徹夜して考える人が何人も出てきます。
研修なんかで覚えたことは忘れてしまいますが、「自分が考えた、これが私です」と言ったことは忘れないんですね。記憶というのはエピソードとともに残る。だから、それを焼き付けるために、モンゴルを選んでいます。
私をこれまでつくってきたものというのは、すべてエピソードとともに残っています。覚えているんですね、あのときこうだったと。それを、思い出させる。「子どもの頃で覚えていることあるだろう?」って。
小学2年生の時の校長先生の言葉
――八木さんにとっては、それは何でしょうか?
私は小学2年生のときに、校長先生が「為せば成る」と言ったのを覚えています。そのときの演台から、先生の顔、全部覚えているのです。為せば成るなんて、そんなもの小学2年生にわかるわけない。でも、覚えているわけです。
そして、私は為せば成る人生を歩んでいるのですよ。でも、小学2年生の時からそう歩んでいるんじゃない。あとで考えたら、「あの言葉を今覚えている自分というのは、為せば成る人生をやっているんだなあ」と。じゃあ、いただこうと。そういうものなんですね。
それを無理矢理起こしてやろうというのが、このモンゴルでのセッションなのです。
――毎回同行されるのですか。
全部行きます。これが、一番大事で一番重要な投資なんです。人から見たら、「八木さん、なんでモンゴルに3日間も行って」と思われているでしょう。そんなことはどうでもいいのです。人を育てることは、人事にとって一番大事ですから。
先ほど24人と言いましたが、仮にその中で真のリーダーになるのが1人だけだったとしても、私が行くことによって育ってくれる人間がいるのなら、3日間を過ごしたい。それが私の考えです。
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