「AMG」最強モデルはいったい何がスゴいか メルセデスがニュルで鍛えた「GT R」の実力
新しいターボチャージャーによる過給圧は、GT比で0.15bar増加。従来の1.2barから1.35barに向上している。排気システムや圧縮比も最適化され、全体の燃焼プロセスやエンジン本体の効率までが大幅に見直された。さらにダブルマスフライホイールは、GT Sよりも0.7kg軽量化に成功。より俊敏なエンジンレスポンスに貢献するのだという。
こうした小さな改良と改善の積み重ねによって、AMG GT Rは、0-100km/h加速が3.6秒、最高速度は318km/hをマーク。同じV8エンジンを搭載するライバルスーパーカーや、仮想敵と言われているポルシェ911ターボとほぼ同等のスペックを手に入れたと紹介できるだろう。
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GT3カテゴリーを戦うレーシングマシン、AMG GT3譲りの縦格子デザインを持つフロントグリルの採用や、エアインテークを大型化したフロントバンパー、固定式のリアウィング、大型のリアディフューザー、リアフェンダー後端に位置するエアダクトの採用も、その進化したパフォーマンスがサーキット由来の特別なモデルであることをひと目で理解させる。
フロントフェイスのアイキャッチとなるGT3譲りのグリルにある15枚のクロームフィンは、AMG パナメリカーナ グリルと呼ばれるもので、これは歴史を遡れば1952年のメキシコで優勝した300SLがルーツになる。こうしたGT R専用のデザインや新しい空力デバイスは、新たなアクティブエアマネジメントシステムと同様に、高速域での安定性を向上させる重要な役割を担っている。