お手持ちの紙幣をご覧あれ。1万円札でも1000円札でも、何でも結構。真ん中のやや左下に赤いハンコが押してある(写真は赤いハンコを真ん中にして撮影)。この漢字4文字、何て読むのかご存じだろうか。
答えは「総裁之印」。これがドル紙幣であれば、米国の財務長官のサインが書かれるところだが、日本の場合はやはりハンコが使われている。余談になるが、次期米財務長官となる予定のジャック・ルー氏は、あまりにも落書きみたいなサインをする人なんで、オバマ大統領から「もっとちゃんとしたサインに変えること」を長官就任の条件にされてしまった。だって、ドル紙幣に落書きみたいなサインがあったら、国家の品位にかかわっちゃうでしょ?
「日本銀行券」の本質とは?
さて、日本銀行総裁の机の上には、このハンコの本物が置いてある。つまり円の紙幣とは、「日本銀行総裁はあなたにXX円借りています」という借用証書でもある。そう思ってよくよく見ると、「おカネの不思議」がちょっとだけ実感されるのではないだろうか。
よく知られているとおり、日本銀行のバランスシートでは、「現金」(発行銀行券)という項目は右方、つまり負債の部に置かれている。つまり中央銀行が「借り」と言ってくれているのだが、それを裏付ける担保は何もない。
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