企業が革新を持続するための5つの行動指針 「イノベーション100委員会」の提言とは?

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<NTTデータ>

NTTデータでは、近未来の情報社会と技術トレンドのレポートとして「NTT DATA Technology Foresight」を発表し、それをもとに顧客とワークショップを開催しています。また「豊洲の港から」というビジネス・プラン・コンテストを開催し、ベンチャー企業と社内の各事業部を結びつけています。

岩本敏男社長は、「自社だけでイノベーションを生み出そうという発想はもうない。イノベーションを興すには、現場・現物・現実を知っているのが原則。過去にNTTデータが生み出してきた数々のイノベーションをひもとくとそうであるように、現場のお客様が悩んでいることと、私たちが持っている新しい技術が火花を散らしたときにイノベーションが生まれる」と語ります。

なお、初年度のレポートは自由にご覧いただけます。

企業がイノベーションを起こし続ける5つの行動指針

イノベーション100委員会では、座談会等で経営者が語り合った経営方針や取り組み事例をもとに、イノベーションを興すための経営陣の行動指針として、次の5つを掲げています。

指針1:変革のビジョンの発信と断行
変化を見定め、変革のビジョンを発信し、断行する。
指針2:経営の増築
効率性と創造性、2階建ての経営を実現する。
指針3:価値起点の仕組み構築
価値起点で事業を創る仕組みを構築する。
指針4:挑戦の奨励
社員が存分に試行錯誤できる環境を整備する。
指針5:越境の奨励
組織内外の壁を越えた協働を推進する。

 

議論の中で、一貫して語られてきたことは、経営者が自らの言葉で「変革への想い」を語ること、行動することが出発点となることです。その際に、既存事業と異なる区分で新事業に取り組む「2階建て経営」を推奨しています。これは、2階建ての建物のように、1階で効率性を重視する既存事業、2階で創造性を重視する新事業を運営する経営スタイルです。ポイントは既存事業と新規事業のルールを「分ける」こと。意思決定、事業評価、人事評価を別にする構造を経営者のイニシアチブで作ることです。

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