「マザーズ指数先物」に過大な期待は禁物だ 「市場の安定化に一役買う」とは言い切れず
日経平均株価は、先週の1週間で1390円も上昇、1997年11月以来およそ19年ぶりの大幅高を演じた。その直後の連休明け19日にいよいよ「東証マザーズ指数先物」が上場する。
指数先物上場で、取引の厚みは本当に増すのか
マザーズ上場銘柄には、価格変動が大きいものが多い。それゆえ「東証マザーズ指数先物」によって、リスクヘッジ取引が可能になることで「取引の厚みが増し」、市場の安定につながることが期待されている。
しかし、マザーズ市場の特性を考えると、こうした期待は過大かもしれない。
「東証マザーズ指数」が登場した1999年当時のことだ。投資信託会社で運用をしていた筆者のところに、商品企画部門から「東証マザーズ指数ETF」「東証マザーズ指数連動ファンド」を作れないか、という相談が持ち込まれたことがある。それは、筆者が先物オプションのトレーディング業務やインデックスファンドの運用、さらに日本初のETF(上場投資信託)の立ち上げ責任者を務めていた経験を持っていたからだ。
一見すると、「東証マザーズ指数ETF」や「東証マザーズ指数連動ファンド」は、机上では組成可能のように見える。運用実務上その商品特性を維持することが極めて難しいものだったので、その企画は陽の目を見ることなくお蔵入りとなった。
それから17年近い年月が経ち、立会外取引やバスケット取引など当時と比べてトレーディングに関する環境は大幅に進歩してきている。
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