徳洲会、日本最大の医療グループに走る激震 二男の政務官辞任に続き、徳田虎雄ファミリーと側近が内紛
徳洲会グループには、税制的に優遇された特定医療法人や社会医療法人もある。特に社会医療法人は、救急医療、災害医療、僻地医療、小児医療など地域において必要とされる公益性の高い医療法人であり、出資持ち分(私的財産所有権)の放棄、役員の同族支配の制限および同一団体関係者の制限、役員に対する報酬等の支給基準の明確化など要件があり、税金面でも、医療保健業のうち本来部分にかかる法人税が非課税、医療保健業のうち指定された一部事業にかかる固定資産税も非課税となるといった優遇措置がある。つまり、私物化は許されるものではない。
そもそも、創始者の徳田虎雄氏は、徳州会グループのホームページで、「私は新設病院は金儲けではなく、医師不足で苦しむ離島や癖地に医師を送るために必要だと考えます。徳洲会の原点である離島・僻地医療を維持・発展させるために、都市部の病院に協力させる体制を、万難を排してつくるつもりです。離島・癖地の医療と途上国の医療を、やり抜く覚悟です」と表明。さらに、「人間として『弱きを助け、悪しきをくじく』が原則。生きていること、人のために働けることに感謝してほしい。弱っている人を助けるために、しっかりと理念に基づいた行動をしてほしい」とある。
「弱気を助け、悪しきをくじく」こそ守るべき
この理念こそ、守るべきものであり、継承されるべきものだ。日本最大の医療法人、徳州会グループには約2万7000人が働いている。それだけでなく、何よりも重要なのは、医療を受けている多くの患者がいることだ。
能宗氏は処分理由の書かれた聴聞通知書について、「捏造と思われる話が多すぎるので、正面から回答した。併せて引き続き社会に貢献できるように将来の徳洲会の在り方も提言したが、これもきちんとと検討されていないようだ」と話す。徳洲会グループは5日夕方にも湘南鎌倉総合病院で理事会、13日には社員総会を開き、能宗氏の懲戒解雇を決定する見込みだ。東洋経済は引き続き、徳州会グループについて調査報道を続けていく。
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