殺害の資産家も投資、クロニクルという会社 業績不振、虚偽記載疑義で八方ふさがり
資産家夫婦殺害事件でにわかに注目を集めているのがジャスダックに上場しているクロニクルという会社である。
殺害された霜見誠さんがファンドマネジャーを務めていた「Japan Opportunity Fund(JOF)」は、2011年12月にクロニクルの新株予約権(株式を購入する権利)72個を引き受けたのに続き、12年6月にはクロニクルの新株予約権を引き受けていた別の先(Red Drum Invest Limited)からその予約権を158個譲渡されている。JOFとクロニクルの関係の深さに、市場の関心も集まりつつある。
クロニクルとはいったいどんな会社なのだろうか。
決算書類に虚偽記載疑義、取締役も選任できず
クロニクルとは宝飾品事業とWEB事業を2本柱とする企業だが、業績が低迷しているだけでなく、数々の問題を抱えている。
1月25日には「過去の決算において会計処理の訂正を要する可能性があるために、第三者委員会を設置する」と発表した。つまり、有価証券報告書(企業の決算書類)に虚偽記載の疑義があるというわけだ。
クロニクルを取り巻く暗雲はこれだけではない。昨年12月21日に開催された定時株主総会では、取締役4名の選任を決議することができなかった。現在は任期満了した取締役が業務を遂行しているという状況で、すぐにでも臨時株主総会を開催しなくてはならないのだが、そのメドは立っていない。